英語は地球語、なんて標語があるぐらい、英語を話せることのメリットは大きい。

我が国でも、英語教育を行っているが、如何せん日本人の発音では、なかなかネイティブに通じる英語を使いこなすことは難しい。

最近では、聞くだけで英語を話せるようになるという教材も人気のようだが、まさに藁をも掴む日本人の心理を突いた商品といえるだろう。

さて、もしも昨日まで一切理解できなかった英語が、明くる朝唐突に使えるようになったらどんなに便利だろうか。


荒唐無稽なようにも思えるが、実は2010年にセルビアの少年が、この奇跡のような変化を果たしているのである。

同年10月某日。セルビア南部の都市・セジュ在住の、当時11歳の少年ディミトリエは、これまで母国語しか話せなかったにも関わらず、何故かいきなり英語が理解できるようになったという。

しかも、本人もそのことにしばらく気がつかず、母親や友人に英語で話しかけていたのだとか。

これには家族も大いに驚くことになる。

なぜなら、ディミトリエは勿論、同世代が英語を学ぶ機会はまだ当分先のことだったからだ。

母親は、なんとか僅かに聞き覚えのあった単語などを理解し、しどろもどろに返答していたようだが、ディミトリエの英語の上達は留まるところを知らなかった。

数日後には、母国語版ハリーポッターの小説を、即興で英語に変換してスピーチしてみせたという。

ディミトリエの日常は変わっている。

彼は夢を見ているときは、絶対に英語で話しており、咄嗟の拍子に口をついて出てしまう言葉も英語だという。

今では、ネイティブスピーカーに匹敵する英語を習得したというディミトリエ。労せず英語を体得するとは、まさに天才である。