1968年、京都国立近代美術館でロートレックの油彩絵画『マルセル』が姿を消した。

12月28日、主催者であった読売新聞社などが発見者や情報提供者に1,000万円の懸賞金を贈ると発表。
美術館館長は辞意を表明。翌1969年1月4日、事件当日の当直守衛(55歳)が自宅で自殺した。

額縁発見

やがて美術館から南へ150メートルの疏水のほとりで、絵画『マルセル』の額縁と犯人のものらしい足跡が発見された。
額縁発見現場で目撃された男のモンタージュ写真が公開され、警察は容疑者7,000人をリストアップ。
うそ発見機(ポリグラフ)にかけられた者もいた。
しかし、絵画『マルセル』は発見されないまま、1975年12月27日に窃盗罪の時効が成立した。

時効後になって…

1976年1月29日、大阪に住む会社員夫婦は、2年ほど前から知人の学校教師から預かっていた風呂敷をあけて驚いた。
これは盗難された絵画『マルセル』ではないかと新聞社に連絡をした。鑑定の結果、絵画は本物であることが判明した。

夫婦や学校教師を調べようとするが、時効を迎えているために難航。
民事時効はまだ成立していなかったが、学校教師は「自分も中身を知らずに友人から預かった」としか答えず、友人の名前は一切出さなかった。
結局、誰が絵画を盗んだのかという事件の真相は分からないままとなり、未解決事件となった。

発見された『マルセル』は無事にフランスへ返還された。