世界中で死後も讃えられる偉大な発明家たち。

その中には、なかなか日本では知る機会のない人物も大勢存在している。

今回は、ほとんど知られていない、奇妙な発明家とその最期について、簡単にご紹介したい。

彼の名はワン・フー。16世紀の中国で役人として活躍していた聡明な人物だ。


ワンは公務の傍ら、日々ある研究に精を出していた。その研究というのがロケット開発である。

そう、16世紀にしてワンは、宇宙に目を向けていたのだ。

しかし、当時はまだ宇宙に飛び出す技術もなければ、宇宙には大気がないことすら分かっていない。

このような状況では研究もままならないものだったのだが、ワンはどうにかして夜空に浮かぶ星をこの手に掴もうと思っていた。

そこで開発したのが、ロケット椅子だ。

豪勢な装飾を施した椅子に、ありったけの花火を盛り込み、点火の勢いで一気に空に飛び立とうとしたのである。

取り付けた花火は47個。打ち上げの当日はまさに一大イベントだったようで、40人を超す部下に点火させ、いよいよ宇宙に向かって飛び立つこととした。

だが、その瞬間に発生する爆発。

煙が晴れたときには、もうワンは椅子ごと跡形もなく消えていたということだ。

ワンはそれきり、二度と姿を見せることはなかった。